コーンポタージュ味のせんべいを食べてみた
めったにせんべいは食べない
コーンポタージュ味のものなど食べたこともない
たちまち小学1年生の頃が蘇った
その頃
日曜日はいつも
朝食にコーンクリームスープが出た
特別なものではない
缶詰を鍋にあけて温めるだけのことで
食べる際
バターをすこし溶かし
さらにコショウをすこし振る
これが日曜日の朝の味だった
毎朝は作ってもらえない
日曜日の朝だけだった
日曜日の朝は
こんなにおいしいものが食べられる
そう思って
日曜日が待ち遠しかった
いつ頃からか
コーンクリームスープは作られなくなり
すでに小学校高学年の頃には
小さかった頃の
遠い思い出の味となっていた
レストランのメニューの
スープのページを見ながら
コーンクリームスープをとることもできる
いつだって注文できる
そう思う
思うが
注文したことは
一度もない
あれは
裕福でない家庭で
日曜日の朝
子どもに
ちいさな贅沢をさせる時の味
いつだって注文できる
缶詰を買ってきて鍋にあければ
いつだって簡単に作れる
でも
注文しない
缶詰を
買っても来ない
小学1年生のあの頃だけの
日曜日の朝だけの
最高のおいしさだから
あの頃とともに
永遠に流れ去っていってしまった
おいしさ
裕福でない家庭の子にも
じゅうぶん手は届くものの
それでも
週にたった一度きりの
おいしさだから
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