2022年5月19日木曜日

「チロリン村とクルミの木」の絵本で見たお月見風景

 


買い物や浄水汲みに出て

帰ってくる二十三時頃

ふと空を見ると

大きな月が出ていて

満月?

と思ったが

たしか

おとといあたりが満月だったので

今日は十七夜ぐらいか

十七夜でも

月はこんなに丸くて

大きいんだなあ

と感心し

感心し直し 

行く必要のない陸橋まで

歩いて行ってしまって

そこを上って

しばし

お月見をしてしまった

 

お月見といえば

もちろん

いろいろなところで

いろいろな人たちと

いろいろなお月見をしてきたが

典型的なお月見風景として

いまでも心に残っているのは

「チロリン村とクルミの木」の

絵本で見たお月見風景だ

 

夕食後らしく

モグラのおじさんみたいな人が

井戸端で食器を洗っている

他の人物たち四人は

まん丸の夕月を見上げて

あかるい名月を喜んでいる

空が夜の入りのいい青さで

楽しい見事なお月見風景なのだ

 

子どもの頃に見た

この

お月見の絵が心に焼きついて

お月見のお月見たるべきお月見は

かくあるべし

と思い込むようになってしまった

この絵のとおりのお月見は

たぶん現実にはしたことがない

満月だのお月見だのといえば

いまでもこの絵のような風景に

あこがれ続けている気がする

 

 

*『チロリン村とクルミの木 わらべうたのまき(すずきのえほん)』、鈴木出版(昭和30年代)、絵:大伴朗・藤沢圭三・福田三郎・夢野凡天








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