2022年6月25日土曜日

夏のみどり濃い葉の繁る桜並木で


 

     水と火と塩があれば世渡りできる

        クニ子おばば(宮崎県椎葉村の焼き畑農家)


 



ちょっと

かわった子かもしれない

すこし

知恵遅れかもしれない

 

ぶあついメガネをかけた子が

傘をふりながら

ひとり

大声で歌って

夏のみどり濃い葉の繁る

桜並木を

歩き過ぎていった

 

  ♪さあ

でかけよう

ひときれのパン

ナイフ

ランプ

かばんにつめこんで*

 

ああ

その歌なら

ぼくも知っている

終わりのほうは

たしか

こんなふうだっただろう?

 

  ♪地球はまわる

きみをかくして

かがやくひとみ

きらめくともしび

 

地球はまわる

きみをのせて

いつか

きっと出会う

ぼくらをのせて*

 

歩き過ぎていく

ぶあついメガネの

子よ

 

きみとぼくをのせて

まわる地球の

きょう

夏のみどり濃い葉の繁る

桜並木で

ぼくはきみに出会った

 

 


 

*『君をのせて』(宮崎駿作詞 久石譲作曲 2000






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