気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
空中に
突然
脚が出てきたので
ビスケット《サンバーン》をあわてて開封し
一枚を口の放り込んでサクサクと音を立てて食べながら
近くの植込みのシロタエギクの葉をちぎって
ボッティチェリの春の戴冠よろしく宙にまき散らすと
葉は次々と
ネリネやブルビネラやラナンキュラスになって
宙にとどまり
太陽のほうからは
巨大なヒマワリが回転しながら下りてきて
こんな時は鉱物の原石が
手元にほしいと
あらためて深い欲望を確かめた
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