2023年6月1日木曜日

「どうせ私をだますならだまし続けてほしかった」


 

 

À tout prix et avec tous les airs,

même dans des voyages métaphysiques. 

— Mais plus alors.

Arthur RimbaudDévotion

 

 


 

    Ⅰ

 

峰岸くんが

アジの三枚おろしをたくみにやってくれて

刺身

タタキ

フライ

などなどなど

まあ

豪勢に食べさせてくれた

 

峰岸くんは

うちの近くに住んでいるので

ときどき食べに行く

 

三枚おろしといえば

三枚舌外交を思い出しちゃうな

イギリスのね

20世紀の混乱を作った元凶のひとつのね

 

だいたい

ウクライナで

また

超悪いことを

やらかしているし

さらに

やらかそうとしているしね

 

そうしゃべったら

峰岸くん

知らなかったんだなあ

 

けっしてバカじゃない峰岸くんにして

このザマだ

世界が悪くなるはずだよね

 

認知戦以前の

情報収集レベルでの

負けだよ

 

え?

峰岸くん?

 

 

 

 

    Ⅱ

 

第一次大戦中

イギリスの兵力はヨーロッパに回されていた

当然のこと

 

だが

オスマン帝国はドイツ側に立ったので

イギリスとしては

中東をなんとかする必要もあった

 

そこで

例の三枚舌外交だ

無責任

身勝手

口から出任せ

奸計と陰謀のごっちゃ盛り

これが国際的に罰せられないのだから

どこの国がなにをしたって

文句を言われる筋合いはない

ってやつ

超弩級の世界犯罪だ

 

 

 

 

    Ⅲ

 

イギリスは1915年

アラブのハーシム家の当主フサインに

対オスマン戦争を仕掛けろ!

と促す

その代償に

オスマン帝国領内のアラブ諸国の独立を認めるからさ

って

 

イギリスのエジプト高等弁務官マクマホンは

フサインと書簡を交わし

合意に達する

 

これが

フサイン・マクマホン協定

 

 

 

 

    Ⅳ

 

ところが

翌年の1916年には

イギリスは

フランスやロシアと別の協定を結んでいる

 

戦争が終わったら

イギリスがイラクを取り

フランスがシリアを取り

パレスチナは国際共同管理にしようじゃないか

って

 

これが

サイクス・ピコ協定

 

あれ?

アラブ諸国の独立を認める

っていう

フサイン・マクマホン協定

どうしちゃったの?

 

いやいや

そこは

イギリスのやることですから

 

イギリス史を学んでいない

アラブ側の

落ち度

ってことに

なりますかね?

 

恐いよぉ

勉強してない

ってのは

 

こうなっちゃう

から

 

 

 

 

     Ⅴ

 

さらに

さらに

 

1917年には

イギリスのバルフォア外相は

ユダヤ人の民族的郷土がパレスチナに作られることに賛同

と表明

 

これが

バルフォア宣言

 

あれ?

フランスとロシアに約束した

パレスチナは国際共同管理にしようじゃないか

っていう

あれ

サイクス・ピコ協定は

どうなっちゃったんですかね?

 

いやいや

そこは

イギリスのやることですから

 

イギリス史をしっかり学んでいない

フランスとロシアの

落ち度

ってことに

なりますかね?

やっぱり

 

 

 

 

     Ⅵ

 

パレスチナでの

ユダヤ国家の建国を認めたのは

戦費に窮して

ユダヤ人金融資本家のロスチャイルドから融資を受けていたイギリスが

ロスチャイルドの歓心を買うため

 

ロスチャイルドとのイギリスのつき合いは

これがはじめてではない

帝国主義政策の徹底した推進者ディズレーリは

エジプトが万国スエズ運河会社の株式を売りに出した時

議会を無視し

独断専行でロスチャイルドから400万ポンドを借り入れて

スエズ運河会社株を買った

 

ロスチャイルドは

もちろん

「抵当になるものはなにかね?」

ディズレーリに聞く

 

ここで

歴史に残るディズレーリの

例の返答だ

「抵当は大英帝国ですよ!」

 

イタリア系ユダヤ人の子で

鉱山投資に失敗

政治新聞経営に失敗

こりゃあ

政治小説でも書くほかないや

となんとか身を立て

そうこうするうちに政界に入って

保守党の下院議員になるや

とにかく目立つしかないと伊達な服装で目立ち

なんやかやと大言壮語してのし上がり

ついに64歳で首相になったものの

すぐにポシャって

また70歳で首相に返り咲いて

世界を徹底的に破壊し搾取する帝国主義路線を推進する

この不世出のでまかせ男

ディズレーリの

なんとも面目躍如たる

「抵当は大英帝国!」

と来たもんだ

 

 

 

 

    Ⅶ

 

フサイン・マクマホン協定を

バカ丸出しに信じて

動いちゃったんだよねえ

アラブは

 

ファイサルは

オスマン軍を撃破して

ダマスクス城に入城

 

いっしょに

獅子奮迅の頑張りをしたのが

あの有名な

イギリス将校

アラビアのローレンス

 

彼の英雄ぶりは

世界を洗脳する第一級の装置であるハリウッド映画で

つとに有名で御座いまするが

イギリスの三枚舌外交を巧妙に誤魔化すための

ただの駒でした

 

イギリスだって

ホント

こんなに頑張ったんだよ

見せるための

ただの

使いっぱ

 

ローレンスさん

ホントのところを知って

演技していたのか

それとも

ご本人さえ

政府に騙されていたのか

幾重にも

情報操作が絡みあう世界で御座るゆえ

ホントのところは

わかりません

わいナァ

 

ローレンスさんさえ

騙されていた

んなら

日本の昭和歌謡のバーブ佐竹の歌は

バイク事故で死んだ

(とされている)

ローレンスさんの霊魂に

しおしおと

染みたでしょうなァ

 

「どうせ私をだますならだまし続けてほしかった」

という

あれ

昭和38年の『女心の唄』

 

 

 

 

    Ⅷ

 

第一次大戦後

紛糾に次ぐ紛糾の後で

アラブ諸国は自治を認められはしたものの

パレスチナへのユダヤ人の流入が増えたことで

アラブ先住民とユダヤ人の対立は

どんどんと激化し

しばらく

イギリスも調停を図ろうと(いうフリ)はしたものの

ついに投げ出して

はい

さようなら

 

今に続く

あの体たらく

 

 

 

 

     Ⅸ

 

バーブ佐竹の『女心の唄』は

考えてみれば

イギリスに騙された

あらゆる民の心を

まあ

よう歌い切っておりますナ

 

人類全般の

騙くらかされた民

みんなの気持ちを代弁している

とでも

言いますか

 

ホント

バカにならないのよ

にっぽんの

俗謡ってのは

 

あなただけはと信じつつ
恋におぼれてしまったの
こころ変わりがせつなくて
つのる想いのしのび泣き

どうせ私をだますなら
だまし続けて欲しかった
酔っている夜は痛まぬが
さめてなおます胸の傷

うわべばかりとつい知らず
惚れてすがった薄情け
酒が言わせた言葉だと
なんでいまさら逃げるのよ

女ですもの人並みに
夢をみたのがなぜ悪い
今夜しみじみ知らされた
男心の裏表

逃げた人なぞ追うものか
追えばなおさら辛くなる
遠いあの夜の想い出を
そっと抱くたびついほろり

散って砕けた夢の数
つなぎあわせて生きてゆく
いつか来る春幸せを
のぞみ捨てずにひとり待つ

 

たくみな詞ですなァ

作詞者は

山北由希夫さん

ちなみに

作曲は

吉田矢健治でした

 

 

 

 

    Ⅹ

 

もちろん

ジャニーズに騙され通しだった

かつてのお嬢ちゃん

お姉ちゃん

おっかちゃん

にも

バーブ佐竹の『女心の唄』を

 

トーイツキョーカイなんて

信仰しちゃった

ケーケンなる信者さんたち

にも

 

得体のしれないものばかりで作られていた

自己免疫力破壊のための

殺人液体を

バカのひとつ覚えよろしく打ったりした

救いようのない

ヒト型家畜さんたち

にも

 

 

 

(この章は

ランボーの『献身Dévotion』 のアレンジっぽいのを

ちょっと狙ったんだけど

わかるかなァ?)

 

 

 


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