どうにもならない事なんて
どうにでもなっていい事
The Bleu Hearts 「少年の詩」
日本はさまざまな面で確実に劣化しており
悪くなっていっている
いや
地上の
どの世界も
国家というものの主体として
大政党や大企業や大宗教団体などのメンバーでない
能力も権力も権威もごく限られた一個人ひとりひとりを想定する
近代政治の基本イメージに照らした場合には
構造的に言えば
代議制が根本的に抱え持つ問題を
まったく解決できないまま
情報提供プラットフォームを持つ側が
ほぼ完全に社会内の情報操作をできる時代に突入してしまったため
一個人ひとりひとりが
時代錯誤的なレトロな抵抗手段しか取れなくなり
そうした抵抗手段は
しかたなしの賃仕事以外の時間を儚い気散じの娯楽に費やすだけで
スマートに安楽に
とにかく無難に
少しでも疲れずに
日々を送っていこうとする現代人には
とほうもなく恥ずかしい時代遅れの行為にしか見えないので
当然そこになど参加せずに
距離を取っていたいと思ってしまう
大政党や大企業や大宗教団体などに巨額の財が集まった場合
処置しようのないほど歪む社会をどのように修正するか
このことも全く未解決なまま
巨財さえあればどのような設備投資もできる時代に
さらに加速していく中では
やはり一個人ひとりひとりには
為すすべがない
一個人ひとりひとりは
歪んで悪化していくばかりの社会の中で
同じような条件を強要されている他の一個人ひとりひとりとだけ
隣りあって生きているわけではなく
大政党や大企業や大宗教団体などに属して
巨額の財がもたらす恩恵や権力に守られたり利益を得たりしている
種類の異なった「一個人ひとりひとり」
自分以外の「一個人ひとりひとり」を信じもしなくなり
そうした人びとと連帯したりもしなくなっていく
近代社会の礎となった
ホッブス-ロック-ルソー理想が
いまや完全に瓦解していこうとしており
これを補完するマルクスを加えれば
ホッブス-ロック-ルソー-マルクス理想が
崩壊していく過程を今のわれわれは生きている
と言ってもよい
(これらの思想家の思想個々に内在する欠点には
ここでは触れないでおく)
これらの理想の崩壊過程にあって
巨財の偏りはさらに拡大しつつあり
代議制の欠点はいっそう巧妙に利用されていく以上
やって来るのは
古代王朝型の全体主義国家の時代である
奴隷制はかたちを変えて
いっそう完全なものとしてすでに全世界に敷かれており
今後の地球上では
古代エジプトや古代オリエントや
古代中国などの
人民が奴隷のようなものとなる時代の到来を予想しておいたほうが
人民は自分たちを奴隷と自認したくないので
制度的な奴隷を設けて
それを売り買いするようになるだろう
ここに技術的な面のみ進化し続ける科学・
もはや動かしようのない階級制が根付き
階級を異にする人間への差別は倫理の基本となるだろう
おそらく
積極的に階級制度に加担し
自分以外の「一個人ひとりひとり」を差別する方向で生きるしか
今後の数百年にわたる地球を生きのびるすべはないだろう
どう生きても
せいぜい数十年の地上体験と見て
見限って
つかのまの夢であり
つかのまの革命行為だった
ホッブス-ロック-ルソー-マルクス理想を
ただの
いにしえの神話学の一項目と整理して
シニカルに
冷酷に
まさに爬虫類的に
レプタリアンそのものとして
生きていくほかなくなるだろう
もう終わったのである
すべては
もう終わっており
ホッブス-ロック-ルソー-マルクス革命
ご苦労様でしたァ!
と
地上の心の果てへ
精神の果てへ
四散していく時節である
鶴屋南北劇の終わりで
なお生きのびる悪人たちのように
いずれ
スパルタクスたちが
また
声を上げはじめるまで
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