2023年12月10日日曜日

パレスチナの岸信介


 

 

起こっているのは

ガザ地区沖の天然ガス資源(通称ガザ・マリン)の奪い合いなのだ

メディアが故意にこれを報じないところに

最大の問題と国際的虚偽がある

 

         *

 

1990年代にガザ地区沖の天然ガス田は発見されている

ガザ海岸から36km離れた

地中海沿岸にある天然ガス田である

 

この天然ガス田は

2000年にブリティッシュガス社が開発し

その後ロイヤルダッチシエル社(現シェル社に引き継がれた

しかし

同社は2018年に撤退した


同地区の天然ガス埋蔵量は1.1兆立方フィート

あるいは

320億立方メートルと推定される
これは

20年間で毎年15億立方メートルの生産能力に相当


この天然ガス田が稼働を開始すれば

エジプトに

天然ガスを輸送して

ヨーロッパに販売できる

 

         *

 

パレスチナ自治政府は

天然ガス田の所有権を主張している

 

イスラエル政府は
天然ガス田を合法的に管理する権利があるのは国家のみだ

と主張している

 

         *

 

20212

パレスチナ投資基金 (Palestinian Investment Fund)

エジプトガス公社(EGAS)の請負業者協会と

ガザ沖天然ガス田の開発にあたって協力する契約を

締結した

 

イスラエルは

この件に関して内部協議を再開させたことを

 「複数の窓口を通じて」

バレスチナ自治政府と

アメリカ

エジプトに通知した

 

エジプトとアメリカは

パレスチナ側を懐疑的に見ているが

プロジェクトを支持している

パレスチナはイスラエルに対して

開発を許可するよう要求したものの

拒否されたため

天然ガスの採取は行っていない


このプロジェクトの完了には

安全保障上の課題がある


ガス田の開発を

武装組織ハマスが黙って見ているわけがないので

どのように開発を進めるのかが最大の問題

とイスラエルは考えている

 

ハマスに対抗する措置を採ると
国際的な批判を招くかもしれないが

避けようはない

イスラエルは懸念していた

 

昨年10

パレスチナの有力な情報筋は

ガザ・マリンからの天然ガス抽出に関する

エジプト・パレスチナ・イスラエル間の合意は存在しない

とした


この情報筋は

また

協議は

イスラエル側の参加なしに

パレスチナとエジプトの間だけで行われ
 
「われわれのものを取り出すために

イスラエルに金を払うことはない。 これは容認できない……

イスラエルに求められているのは

作業を妨害しないことだけだ」
と述べた


パレスチナ政府は閣僚委員会を立ち上げ

パレスチナ投資基金が

エジプトとの間で

ガザ・マリンの資金調達と運営に関する合意を完了させるための

支援を行っていた

 

         *

 

イスラエル政府は

昨年末から

ガザ地区沖のガス田 (通称ガザ・マリン)について

パレスチナ自治政府と内密に協議を行っている

 

この協議は

米国の仲介により始まったばかりの

イスラエルとパレスチナ自治政府の間の

政治・安全保障関係の構築の一環として

ふたたび

行われるようになったもの

 

アカバとシャルム・エル・シェイクで行われた会談では

ガザ沖の開発と

天然ガス採掘の準備の問題が

中心


この会談には

米国の支援のもと

パレスチナ側とイスラエル側の

安全保障や政治関係者が一堂に会した

ヨルダンとエジプトも

協議に参加した


イスラエル側は

イスラエル国家安全保障会議議長のツァヒ・ハネグビと

イスラエル占領地域での政府活動の調整役であるガサン・オルヤンが

中心となっている


イスラエルは

この開発はパレスチナ人に経済的な利益をもたらし

長期的には

安全保障上の緊張緩和に寄与する可能性がある

と考えている

と情報筋は述べている

 

もっとも

先述のとおりガザ・マリンから天然ガスの抽出を行うには

イスラエルの承認を必要とする

イスラエルが主張しており
ガス田を合法的に管理する権利を持つのは国家だけだ

とも

主張しているため

議論が行き詰まっている

 

国家として認められていないパレスチナ自治政府が

単独で天然ガスを採取することは

認められないので

エジプトがガス採取プロジェクトを監督すれば

問題は解決する

イスラエル側は言っている

 

         *

 

202111月以降

深刻な財政危機に見舞われているパレスチナ自治政府にとって

この天然ガス採取プロジェクトは

不可欠といっていいほど

戦略的に重要

 

ガザ・マリンが稼働した場合

得られる年間収入は

7億ドルから8億ドルになる

10年以内には
70
億ドルから80億ドルの収入が得られる


パレスチナは

天然ガスパイプラインを

イスラエルの都市アシュドッドへではなく

エジプトの都市エルアリーシュにまで延長する計画をしている

天然ガス処理をそこで行ない

エジプトの天然ガスとともにヨーロッパに販売する

計画である

 

天然ガスが採取されれば

パレスチナ自治政府の国庫にとって重要な収入源となり

今年末までに

6500万ドルに達する水不足を

解消することができる

パレスチナ自治政府の高官筋は

アラブ・ニュースに

語っている

 

         *

 

さて

 

イスラエルの極端に激しいガザ侵攻は

ガザ地区沖の天然ガスの利権獲得にこそ

理由がある

と考えておくべきだろう

 

この利権がパレスチナに渡れば

パレスチナには莫大な収入が入り

水不足など諸問題が解決され

パレスチナ自治区が豊かになる

 

エジプトで処理をし

そこから輸送するとなれば

アラブ世界の富が増す

 

しかし

イスラエルがこの利権を独占できれば

イスラエル側にとっての

莫大な収入源となる

イスラエルがガス田を持てば

エネルギー面でも

サウジアラビアなどの産油国に

対抗する力を持てる

 

もしイスラエル側が利権を取るとしても

現状のままハマスを残しておけば

開発し稼働させたガス田は

つねにハマスの脅威に晒され続けるだろう

 

ハマスと一心同体というわけでもない

パレスチナ側にとっても

ガス田を開発し稼働させたところで

やはり

つねにハマスに支配され続けるだろう

 

そうなると

将来的にはどうなるか

わからないとはいえ

イスラエル側にとっても

パレスチナ側にとっても

現時点で

ハマスを殲滅させておくのは好都合

ということになる

 

真に戦闘的なメンバーを

この際殲滅させ

アメリカに完全に支配され骨抜きにされた

日本のようなケースに

パレスチナを持っていって

イスラエルの従順な属領として

そこで天然ガス処理などを行わせれば

ミニ日本としてのパレスチナと

ミニアメリカとしてのイスラエルという構図が出来上がり

表面的な平和の領する地域として

安定した豊かな風景が現出するはずだろう

戦後に数十年経った後の日本が

完全なアメリカの奴隷社会になったように

数十年もすればパレスチナも

完全なイスラエルの奴隷社会になることだろう

 

このように

裏で目立たぬようにしている

パレスチナの岸信介は

イスラエルの従順な工作員となって

企んでいるところだろう





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