南フランスをめぐって
アルビから
カタリ派終焉の地
ピレネー山脈のモンセギュールへ
エレーヌ・グルナックと上ったことがあった
モンセギュール山頂で
ちょうど
皆既日食となった
偶然?
偶然ではあるまい
かつて
ぼくらふたりがカタリ派だった頃を
この皆既日食は
忘れないようにと
封印解除をしてくれたものと
見た
真夏というのに
皆既日食で地が闇に包まれると
寒くなった
12世紀の第3十字軍は
カタリ派を絶滅させるために
フィリップ2世によって敢行され
アルビジョワ十字軍と呼ばれた
この十字軍が
南フランスのビジェに入った時
兵士たちの目には
ごくふつうに
穏やかに
平和に暮らしている村人たちや
女たち
子どもたちが
見えただけだった
「この村人たちのうちの
だれが
カタリ派なのか
どう見分けたらいいのですか?」と
兵士は
カトリックの神父に聞いたそうだ
「全員を殺せ
カタリ派かどうかは
天で
神が区別してくれるから
心配ない」
神父は
このように答えた
そういうことの起きた地で
エレーヌとわたしは皆既皆既日食が完全に終わるまで
山上にいた
皆既日食の際の寒さで
顔がカサカサになったのを
よく覚えている
エレーヌ・グルナック
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