2017年11月16日木曜日

思い出そう ちょっと 久しぶりかもしれないけれど

  
静かな場所を求めるようでは
いつまでも
つまらない人
騒音は力
慌ただしさからこそ
永遠の若さが来る
埃は祝祭の印

静かさを求める人たちについて行けば
委縮と心の老いが来るばかり
すべては相対的なもの
巨大なハリケーンの雲海を宇宙から見れば
悟りのような静寂さ

状況はみな栄養源
行動様式のパターンを狭めていたね
現代のヒト科はみな
すべてがすばらしいという人にだけ耳を傾けよう
ぶつぶつ
不平不満を言い続ける群れからは離れよう

幸せとか
充実とか
やすらぎとか
離れよう
それらの言葉遣いたちからも
そんなことが言葉にされるあいだに
それらはもう流れさってしまっているから

見つめていなければ
失われてしまうような自分なら
流れ去っていくにまかせよう
失ってみても
やっぱり居る自分のほうが
もっと高品質の自分
もっともっと失い
流れ去らせて
もっともっと高品質の自分を
洗練しよう
無限に失い続けなければ
自分の底の底の自分になんて
出会えようもないから

こうして
何億回の輪廻のはじまる前のように
生命や元素の交通渋滞のさなかに居続けていることを
ようやく思い出す
もう忘れてしまった交易路の十字路に立って
ラクダや荷車のひっきりなしの往来に突き飛ばされそうになりなが
どっちの道に行こうかなと
つかのま迷っていた頃とまったく同じなのを思い出す

あっちに行ったり
こっちに行ったり
戻ったり
山道から転げ落ちたり
小川で小魚の群れに見惚れたり
草原で午後じゅうずっと寝っ転がっていたり
また
馬糞や牛糞だらけの
無数の人間でごった返す往来に戻ったり
そんなふうであることこそが
言ってみれば
宇宙がぼくらを生み出した目的だったと
思い出そう
ちょっと
久しぶりかもしれないけれど


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