[2000年1月作 2017年12月再構成]
わたしは髪を洗う女である男である少女、鯉を裂き、
わたしは髪を洗う女である男である少女、鯉を裂き、
きょう、泥の味ゆたかに煮付け
殺した愛人の子等に出す。
子等、わたしの背丈を越えた十九の若者
と まだ十の 頬やわらかい少年
と まだ十の 頬やわらかい少年
背をすこし丸めて、うつむきがちに食べる。
殺された粗暴だった父を思うの?
殺されるにふさわしかった父、
あんな男? わたしの前で?
わたし、少女 この子等 わたしを愛するかしら、
わたしのからだ 匂い 男である少女 髪を洗う女
である男であるわたし、鯉を裂き
である男であるわたし、鯉を裂き
あの子等に食べさせる
わたし、男 乳房ゆたかな
男 だれより泥と濁り水にからだ浸して
きょう裂く鯉も 腕と乳房で捕えた
男 だれより泥と濁り水にからだ浸して
きょう裂く鯉も 腕と乳房で捕えた
鱗が乳首を幾鱗も滑り 殺した男の血のぬめり
思い出して恍惚。わたし、この子等をりっぱに
女にしよう すぐにも男根ふたつ切り落として
吹き出る血を口で覆い 宇宙のべつの
吹き出る血を口で覆い 宇宙のべつの
回路へと子等を導く 傷口落ち着いたら
新しい鯉の内臓を擦り込もうか それとも
新しい鯉の内臓を擦り込もうか それとも
父親の脳のすり身を塗り固めて すべらかに
美しい つるつるの股間の再生 待つ
わたしは髪を洗う女である男である少女、
わたしは髪を洗う女である男である少女、
ながくながくねっとり髪洗う男少女
まだ、生きているわね 鯉、お前裂いて
きょう、泥の味ゆたかに煮付け
きょう、泥の味ゆたかに煮付け
殺した愛人の子等に出す。
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