そろそろ政治の話に踏み込もうか?
必死で避け続けて
現代詩のもっともダラダラした軟弱な口ぶりを
要所要所で利用して真似てきた努力も
そろそろ投げ出して?
まずはあらゆる左翼の批判から始めなければならないが
もちろん右翼の馬鹿さ加減を受け入れた上で言うわけではない
右翼が絵にかいたような馬鹿だと認めるのは当然としても
左翼がアメリカを糾弾しないままでは
どんな議論も始まりようがない
アメリカの国内侵略を盲目的に認めることから
戦後の日本左翼は議論を組み立ててきているのだから
端からお話しにならない
もちろん
完膚なきまでにアメリカの軍事力に敗北を喫した
極東列島の残存人たちが
どこから復活のための思考をまともに始めるか
始め得るか
そのあたりで面喰ったまま未だに眩暈の中に居続けているのだから
シラフのようには扱わないでくれ
どこを強調するかの違いで
左翼になったり
右翼になったりしただけのことで
あんまり虐めないでくれよ
やっぱり大戦の敗北は決定的だったんだよと
言い続けながら
右翼だの左翼だのという陣営に加わって
とりあえずの分け前に与って糊口の道を維持したいという
わびしい思いはわからないでもないが
そろそろ限界に来ているじゃないか
やっぱりアメリカとの戦いを避けようもないところまで
1945年時点にも況して
日本人の魂は追い詰められてきているではないか
個々人の命を誤魔化し誤魔化しなんとか維持していこうとした結果
こんなにでたらめな国になってしまったではないか
国民の稼ぎはアメリカに吸い上げられ
嘘八百を並べる21世紀バチスタ政権によって
この列島はすっかり下請け小国家にされ切ってしまっている
こういったことを
フザケた現代詩ふうの言辞を並べ続けながら
いやいや
アベセーケン下ふうの言辞と言っておこうか
むかしスタンダールが『赤と黒』を1830年の年代記と記し
冒頭に1827年に書かれたとしっかり明記しておいたような歴史意識
政治意識程度には
ビンビンと鋭い認識や感覚であらゆる単語を並べ続けて
きているんだけどね
と
ひさしぶりに洩らしながら
すっかり忘れていたとでも思うか
わたくしの専門はフランス革命から
ルイ18世の王政復古時期の
どうにもならない下らない政治過程の日々刻々の
状況推移の再見にあり
もちろん花よ蝶よという言辞を弄するのなど
カモフラージュにすぎないことを
よくもまぁ
韜晦とカモフラージュを長々と続けてきたものと我ながら感心するが
タレーラン先生やメッテルニヒ先生を師と仰いでいる以上
裏ではいろいろな工作をし続けてもおるのでね
おっと
リシュリュー先生や
カロンヌ先生
ドゴール先生あたりも
今日は珍しく数え上げておこう
すべては政治であり
権力闘争であり
この世ばかりか
人間の意識界はミクロ+マクロ権力の終わりなき闘争である
と注記しておくために
とはいえ
ヴァージニア・ウルフの『作家の日記』は面白く
このあいだの夕方散歩途中で神楽坂のLe Kaguに寄った時に
日本語訳をうっかり買いたくなったが
どうせなら英語で読んだほうがいいだろうと思い
その場でKindleを調べたらちゃんとあったが
帰宅してKoboを調べたらもっといろいろあって
みすず書房の翻訳本は4400円ほどしたが
Koboの英語版では最安値のものは125円だったので
どうしたってこちらで買うべきだろうと結論
本が売れなくなるわけさ
差が大き過ぎる
とはいえ
神谷美恵子の訳はよかったけれどね
彼女は1979年に65歳で亡くなった
戦時中の東大病院精神科を支えた3人の医師のうちのひとりだそうだ
4000円以上出して
わざわざ翻訳で読む価値もあるかもしれない
翻訳は訳者の言葉を読むことであり
訳者の息づかいや体温を読むことであり
つまりは訳者のからだに触れ続けることだから