2016年12月29日木曜日

人生の歳末


歳末の大掃除だの
なんだのと
晩秋から言葉は飛び交うわけだが

歳末っていう意識が
そもそも
こちとらにはないもんだから
べつに
大掃除しようとか
なにかをとりまとめようとか
そんな気には
まぁったく
なんないんだね

世間がなんとなく
ざわざわ
騒々しくなってくるから
ちょっと合わせて
忙しいふりもするけど
べつに
なにかの終わりだとか
けじめだとか
ぜんぜん
思わないんだね
そんなことは

歳末っていうのは
けれど
人生の終末
そうは思い続けてきている
人生の歳末には
積り積った
モノの片付けや
心の中の
思いの中の
記憶の中の
あれこれをみんな
総ざらいして
ぜんぶ棄てっちまわないと*
ろくに死ねもしない
そんな気がする

ぜんぶ棄てっちまうのさ*
まるで
家にまるごと火ぃ付けっちまうように*
望んだこと
願ったこと
思ったこと
計画したこと
実現したこと
叶わなかったこと
どれもみぃんな
棄てっちまうのさ*

そんな人生の歳末は
ひたひた
そそそそ
早足で
忍び足で
みぃんなに近づいてきている
大災害で流されたり
埋もれたりして
ひょいといなくなっちまったら*
ホントは
どんなに楽だろうって
誰もが思うような
人生の歳末
ひたひた
そそそそ
早足で
忍び足で
みぃんなに近づいてきている



*母方の祖母の福島なまりを使ってみている。




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