2016年12月10日土曜日

「私は聖母マリア…」



『ゴダールのマリア』*では
最後の場面**
映画至上でも至高の頂点が来る

映画中に
たびたび出現した
大天使ガブリエルが
わきの車の持ち主としてまた現われ
「マリア、あなたを讃えます*
と告げ

それを聞いたマリアは
述懐する

「私は処女だった
「私はこのあり方を望まなかった
「私は私を助けた魂を顕現させた
「それだけ

字幕では
「私は聖母マリア
とある

ちょっと違うが
映画を見ている時には
それも響いてくる
その日本語訳も

聖母マリアでない
ヒトが
いるだろうか

みな
未知のものを
宿
させ
られる
のだ

ワタシタチ、ハ、
宿


*Jean-Luc Godard Je vous salue, Marie,1984.
***Je vous salue, Marie.



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