湿った川沿いを歩きながら
雨の止んだあとの空気の重さとは
その中にいることとは
こういうことか
と思い直しながら
バリ島の湿った田圃のあいだの道を行ったことや
それとは逆に雨のまったく降らなかった時の
フィリピンの暑さの中を歩いたことなどを思い出している
しかし自分は今
ニッポンというところの
2015年6月にいるんだと魂に刻印している
フランスの一夏
アングレームの暑さは只事ではなかったが
大きな荷物を持ちながら駅に下り立ち
市街中心地まで長々と歩いて行ったものだったっけ
まだまだ陽の高い夕刻
ホテル探しがうまくいくかどうか
ちょっと不安な気持ちに駆られながら
Centrevilleという標識のほうへと歩いていた
また別の夏には
地中海岸のモンペリエのとほうもない湿り気と暑さの中で
街中に水蒸気の立ち込める薄ら白さの中を
やはり中心地のほうへと歩いていた
しかし自分は今
ニッポンというところの
2015年6月にいるんだと魂に刻印している
バリ島でもフィリピンでも
アングレームでもモンペリエでも
歩行が続いている強い感触がこんなにあるのだから
…ひょっとしたら
間違っているのかもしれないが
しかし自分はいま
ニッポンというところの
2015年6月にいるんだと魂に刻印している
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