2015年6月8日月曜日

萩を見るたびに



  
どこかで枇杷を見たなぁ
もう枇杷の実がなっているのを見たなぁ
そう思いながら
このところの数日を
一週間ほどを過ごしていたが

見つけた

青山学院の幼稚園のところ
壁のむこうだが
高い枇杷の木が美味しそうな実をつけている
ここにあったか
場所を忘れて
どこにあったけなぁ
と思い続け
まるで東京中至るところに
おいしく実をつけた枇杷の木が
隠されているようだった

道路をはさんで
むかい側には
もうひとつ
いいものを見つけた
萩の枝がもうずいぶん伸びて
あの丸っこい清潔そうな緑の葉を
いっぱいにつけている
枝が何本も伸びて
準備完了間近の夏萩のようす
秋萩かもしれないが
夏から秋は萩の活躍が続くから
おなじ季節のようなもの

萩を見るたびに
あゝ萩はいいなぁ
とわざわざ言葉出して思う
いい草や花はいっぱいあるが
萩はやっぱりいい

関西に比べ関東には萩は少ないからか
萩の魅力にはながいこと気づかないで来たが
ある秋のはじめ
奈良の新薬師寺の庭の
羽根布団のようなたっぷりの萩を見て以来
萩は格別の植物になった

もう逝ってしまった
唯一の友との
いつまで経っても時間が尽きないようだった
のんびりした午後の
あのひととき…




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