駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2018年1月1日月曜日
遠いところから来て奇跡的に
遠いところから来るものにも待ち疲れて
ぼくは古ぼけた自転車で
小さな花の咲き出した春の野をさがしに出ようとしている
漕ぐたびにキイキイ音を立てるので
春の後に来るべき夏を起こしてしまわないか
ちょっと心配
ポケットに飴玉を三つ入れてあるから
小川を越える頃はお楽しみだ
遠い外国から
遠いところから来て
奇跡的に(といっても小さな奇跡だが)
ぼくのところに届いた飴玉
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