2018年1月20日土曜日

ぼくは最終消費者だ

 
書きかたにも文体があるように
しゃべりかたにも
考えかたにも
感じかたにも文体がある

文体は捨てなければいけない

つねにできてきてしまうものだから
こびりついてきてしまうものだから
気づいた時点でこそげ落とさなければいけない

文体のきまった作家を読まなくなるように
文体のできあがった詩人は捨てる
芸術家だってそうだ
飽きる
いつまで同じやりかたでやってんだろ
とうんざりする

表現を仕事にしないふつうの人も同じ
生活の文体
反応の文体の
きまった人はつまらない

端的にいえば
ファーストフード店の
あの紋切り型接客
じつは
ふつうの人たちの誰もが
あれに嵌っている

つまらない

べつにつまらなくたっていいが
ぼくは避ける

少しでも
おもしろいものを求めて
位置を
視点を
注目先を
変え続けるから

ぼくは最終消費者だ
ぼくが最後におもしろさを決める
生産者側に立ちたい諸君は
ぼくに飽きられないように
せいぜい
頑張ってくれたまえ



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