見ていたのか
見ていなかったのか
もう
はっきりもしない
夢
らしきものから覚め出て
夢
でないとでも
いうのか
そう盲信する人たちの
あまりに多い
体
をまた着込んで
書斎
とは呼ばず
居間
とも呼ばず
かといってお遊び部屋
でもないので
じぶん部屋
なんて
呼んじゃってる
ぼくの
わたしの
おらの
わての
とりあえずのお部屋に行って
カーテンを開けたら
早春のしののめ
すでに顔を出した太陽が
新鮮な(早朝のいちばん光線は文句なく新鮮である)
ひかりを
惜しみなく
降り注いでくれていて
それをいつものように見つめて
日輪観をし続けていると
オレンジのひかりのなかに
青黒い長いものが流れていくのが見えたので
それに目を凝らすと
やっぱり龍なのであった
雲のように
雲から
べつの雲へ
流れるように泳いでいく
龍を今日も見て
一日を始めるのであった
龍が
本当に
姿かたちを取って空に出現するのを
安易に否定するあわれな人びと
と
関わらないように決めて久しく
そういう人びと
と
接点が極力なくなるような生の流れ
に
も
入っているが
それでも
ほんのちょっと伝え続けてみたいような
気には
やはり
なってしまう
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