山奥のみずうみにもよく行って
夜なか
ひとりで膝まで水に入っていって
みずうみと夜を聞いていた
それも
もう
しなくなった
住んでいた館の
ちょっと大きな図書室と
小さめの図書室に
やはり
深夜に籠って
あれやこれ
落ち着かない気分で
本から本へと
気持ちをさまよわせた
それも
もう
しなくなった
何百年も続いたのに
いつか
そんな生活の
どれもが
終わっていた
もう
どんな生活も
選ばず
記憶せず
大事にもぞんざいにもせずに
いる
だけでもなく
(そう、宗教のようには「いる」にも憑りつかれず)
いない
いもしない
地面に足裏をつけることさえ稀になった
この頃
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