2018年1月3日水曜日

地面に足裏をつけることさえ稀になったこの頃


山奥のみずうみにもよく行って
夜なか
ひとりで膝まで水に入っていって
みずうみと夜を聞いていた

それも
もう
しなくなった

住んでいた館の
ちょっと大きな図書室と
小さめの図書室に
やはり
深夜に籠って
あれやこれ
落ち着かない気分で
本から本へと
気持ちをさまよわせた

それも
もう
しなくなった

何百年も続いたのに
いつか
そんな生活の
どれもが
終わっていた

もう
どんな生活も
選ばず
記憶せず
大事にもぞんざいにもせずに
いる
だけでもなく
(そう、宗教のようには「いる」にも憑りつかれず)
いない
いもしない
地面に足裏をつけることさえ稀になった
この頃



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