七月のはじめの週
たまたまパリにいたので
時間の空いた昼
たまにはヴォージュ広場にでも行って
ヴィクトル・ユゴーさんの家でも
見て来ようかな
と
行ってみました
あれ
けっこう
つまらないんです
入場料も
タダだしね
ユゴーが最期まで居たわけでもないのに
ぼんやり見てまわると
なんだか
最晩年まで過ごしたかのように錯覚する並べ方になっている
でも
それって
嘘です
いちばん奥の部屋には
御臨終の時のベッドがあってね
暗ぁい
重ぉい
陰々滅々な雰囲気で
それはまだいいんだけど
すごく暑い日だったものだから
空調のあまり効いていない奥の部屋なんて
ろくに居られたもんじゃない
でっかい扇風機をまわしてたしね
係員なんて
十秒置きぐらいに
フゥー
ハァー
プフゥー
なんて
溜息ついてるんだ
フゥー
ハァーより
プフゥー
のほうが
体調管理には
ひょっとしていいのかしらん?
なんて
思っちゃったりして
でも
ユゴーの家で
唯一
いろいろ考えさせられる見どころは
彼が使った立ち机
座ってではなく
立ちながらものを書く机で
机上面の下にも
ものを置ける段があったり
引き出しがあったりして
これで書くと捗るだろうなぁと
ほんと
いろいろ考えさせられる
座る机と
この立ち机とがあれば
作業効率超アップ疑いなしだよなぁ
と
やっぱり
羨ましくなったね
これ
ヴィクトル・ユゴーの家を訪ねるのも
これで三回目だったが
一回目にいっしょに行ったフランス人たちも
二回目にいっしょに行ったフランス人たちも
もうみんな死んでしまって
三回目にいっしょに行ったひとたちはおらず
ぼくひとりでの再々訪なのだったが
ユゴーの立ち机は
一回目や二回目とかわらず
おなじところに置かれていて
こいつには
あいかわらず
いろいろ考えさせられる
ユゴーさん
ユゴーさんの立ち机さん
ぼく
まだ生きてるよ
また見に来たよ
って
思ったけど
伝わったかな
世界文芸の大霊となったユゴーさんには?
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