2018年7月14日土曜日

すべてのものにはおりあいをつけるすべがあり

 

家のなかのちょっとの風の廻しようで
たいへんな暑さも
いくらかは
従順なけものようになる
そんなけものの背や脇腹を見ながら
すこし後方に座っていたりすれば
暑さのもっとも激しい部分は
こちらには襲ってはこない

わたしひとりでいるときなら
身近な環境とのそんなおりあいも
驚くほど容易につく

暑いとき
寒いとき
湿気の多過ぎるとき
どうして大げさに
不快さや不愉快さに踊らされる人がいるのか
そうしてまわりのすべてを不快さや不愉快さに巻き込む人がいるの
わたしにはわからない
幼時からわからなかった
しかたなく
そういう人たちのかたわらに居させられた子供時代
わたしは環境のせいよりも
そういう人たちのせいで四季それぞれの大気の楽しみを損なわれた
成長してからはそういう人たちを避けた
暑くても
寒くても
痛くても
苦しくても
不快さや不愉快さをこれみよがしに出さない人たちとだけ
わたしは居ることを選んだ
そのゆえの人づきあいの少なさをわたしはまったく悔いない

猛暑といわれる日々
家のなかで暑さが剛毛の生えた龍のように寝転がっている
その近くに居たり
ときには跨いだりしても
暑さはいちばん鋭い牙をわたしにはむけて来ない
すべてのものにはおりあいをつけるすべがあり
それらにはそれらなりの存在理由があるのをちゃんと認めてやれば
おのずと一体感のようなものが生まれてきて
その中にはかならず楽しみもあれば
一期一会の充実もある



0 件のコメント: