駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2020年4月27日月曜日
美しい小さな嵐のゆうがた
薄い上空の雲のひろがりの下を
さまざまにグラデーションのついたグレーの雲塊が
次々と流れて行きながら
濃い霧のような雨をほうぼうに落している
都会のビル群が深山のそそり立つ岩山の群れのように雨を受けて
見飽きない美しい小さな嵐のゆうがたとなっている
この光景がすこし落ち着くまで見続けて
ひとにまったく知られることなく変貌し終えたじぶんを
わたしはふたたび今宵見出すことになるだろう
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