2022年1月10日月曜日

帰ったらぼくらの居間の窓に

 

 

春になれば

澄んだ水がちいさな音を立てて流れる

この小川

今はところどころ凍って

曇り空の下

黒っぽく

ところどころ

氷の白い輝きを保って

むこうまで

ちょっと

うねりながら

伸びていっている

 

あのあたりまでは

行こうよ

寒い

午後だけれどね

もうすぐ

陽も暮れてくるから

行ったら

すぐに戻ってきたほうが

いいけれどね

 

帰ったら

ぼくらの居間の窓に

ランプを置こう

 

だれも通らないかもしれないけれど

ぼくらの家の前を

もし

天使になりたてのだれかが

通ったら

こっちを見てくれるかも

しれないから

 

ひとりではないのだと

ランプのあかりを見ながら

思ってくれるかも

しれないから





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