2022年1月9日日曜日

撮りたくてもグッとこらえて

 

 

けっこう昔からある『婦人画報』という女性雑誌の

ことしの2月号を見たら

ちょっと

たまげてしまった

 

表紙に

伊勢神宮の内宮を写しているのだが

それがなんと

御正宮の正面から

しかも神様の通り道である正中で撮影してしまっていて

神社の写真を撮る時には

絶対にやってはいけないやり方を

平然とやらかしていて

しかも堂々と表紙にしてしまっているという

なんとも驚くべき神社軽視

 

伊勢神宮の内宮御正宮の写真は

二十段ほどある石段の下からなら

かろうじて許される

とも言われるが

写真では上部の五段だけが写っているので

下からというよりも

かなり上で撮ってしまっている

鳥居の前に立たせている女優にもこちらを向けさせていて

ということはつまり

御正宮にはお尻を向けさせてしまっていて

おやおや

と思わせられる

たとえば天皇に間近で拝謁したとして

はたしてそちらにお尻を向けて立ったりしますか

ということになる


雑誌の中には

宮司へのインタビューもあるから

伊勢神宮の許可は取ってあるのだろうけれど

どうしちゃったのかねえ

伊勢神宮も

まさか表紙に

正中にカメラを置いての

真っ正面からの写真を使われるとは

思わなかったんじゃないのかな

 

神社に詣でる一般人は

どうこう言っても

神社の写真をあちこちで撮ってみたくなるものだが

御正宮に近づいて正面から撮る写真だけは

撮りたくてもグッとこらえて

絶対に撮らないようにするもの

神様に対してあまりに失礼にあたるからだが

それよりなにより

そんなことをすると神罰てきめんだというのが理由

まったく

どう思っているんだろう

由緒ある大きな神社のエネルギーの

怖さを

 

人によっては

神社の境内にいったん入ってからは

もう

一切写真のたぐいは撮ってはいけない

とまで

ご親切にも

厳重注意をしてくる場合も

ある

 

伊勢神宮ほどの神社となると

境内の中の

あれらの高い木々の上には

本当に天狗たちがいて

参詣者ひとりひとりを監視している

と霊能者たちは言う

日中にたくさんの人たちと参道を歩くと

そういうことは感じられないかもしれないが

早朝の暗いうちに

ひとりで境内に入って行くと

見られていることは

ひりひりと感じられる

 

内宮に近い神宮会館に泊まった時

ひとりで朝五時に内宮に入り

冬の真っ暗な神域を

御正宮へと向かった

寒さもあったが

想像もしなかったような

畏れ多い

というのはまさにこのことか

そう思わされるような張り詰めた気があって

これが神域でなければ

怖くて怖くて

居たたまれなくなってしまうような雰囲気があった


昼間の参道とはまったく違う世界が

そこにはあった





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