意識は
広すぎるほどの壮大なホールで
記憶たちは鳴る
時には弱音で
微細に
それぞれ
くっきりと
輪郭を引きながら
しかし
得も言われぬ絡まりあいを
無限に続けながら
なにもかもが
じつは
このホールで鳴るための
音であった!
わたしと言い
自分と呼んできた
あれら
膜のような
不十分な窓のような
曖昧な表示板のようなものは
どれも
このホールへの
入り口で
吸音口でもあった
あれらの
わたしや自分は
じつは
わたしでも自分でもなく
このホールこそが
わたしであり自分であった!
記憶たちは鳴る
記憶たちさえ
わたしではなく
自分でもなかった!
広すぎて
四方八方の壁がどこで尽きるのか
ひかりさえ
果てまでは届かぬ
この壮大なホールであった!
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