2017年10月6日金曜日

ハンニバルとマルクス・ポルキウス・カトーか…

  
その人たちと話す時には
よく話題に出る老婦人のことだったが
関係もないので
いつも右から左へ
聞き流しているばかりだった

最近は家に閉じ籠って
出てくることもなくなったという
以前はよく電話をかけてきて
うるさいほどだったし
なにかというと会いに来て
ひとしきり家族の悪口をネタにしては
午後をまるまるしゃべりつぶして
帰って行ったものだったという

―お嫁さんが死んでから
急に衰弱しちゃったのよね

―お嫁さんのこと
ずいぶん虐めてたから
あんな人でも
責任感じたんじゃないのかしら?

詳しくは知らない話だったので聞くと
ずいぶん大きな家に住んでいた
なにひとつ不自由なく暮らしてきた
金持ちの婦人の話

近所に住んでいる息子の嫁と
ずいぶん居り合いが悪く
嫁は静かで気立てのいい感じの人だったが
昨年になって急に
蜘蛛膜下出血で急逝してしまった

それで義母はせいせいしたかと思いきや
急にシュンとなってしまって
人付き合いもすっかり止め
閉じ籠もりがちになり
衰弱してしまったそうな

仲のよかった人が会いに行っても
もう
頷いたり
首を振ったりする程度で
話しもしないし
目もうつろになってしまったらしい

ここにも
ひょっとしたら
ハンニバルと
マルクス・ポルキウス・カトーか…
と思い
ライバルや
対立者どうしも
お互いがあってこそ
不思議と
そんな事例は
あちこちにあるものだなァと
また
小さな確認をした次第



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