引っ越してから
しばらく草木たちは戸惑っていた
はたして
ここで成長してしまっても
いいものだろうか
伸びたいように伸びてしまっても
いいものだろうか
と
もともと30㎝ほどの
ひょろっとした小さな枝ぶりだった紅葉は
ことし
どうやら覚悟を決めたらしい
はじめからあった枝に毎年もうしわけ程度に
紅葉らしさをどうにか演出するための
小さめの葉をつけるにとどめていたのが
急に早春からあらたな枝を二本伸ばしてきて
それもぐんぐんと伸ばし
太くし
いつのまにか
立派な庭園の紅葉のような大きな葉を
たわわにつけるようになった
おかげでベランダの眺めは
すっかり様がわりし
いままでいちばんの繁りがしらだったオリーブよりも
いまは生き生きとした繁茂ぶり
ことしはこれまでにもまして
すばらしい初夏の訪れとなったね
と
つぶやくべき場所も
きっと
他にもいくらもあるにちがいない
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