2020年5月17日日曜日

SIさん


  
潮騒も
しばらく聞かず

小蟹
抓んでは
抓んでは
そっと逃してみた
浜の苫屋で
屋根から洩れ入る陽を
指先に受け
背や
腹の肌に
受けさせて
夕暮れまで横たわっていた
初夏の
日曜日もあった

潮騒も
しばらく聞かず

微妙な距離が
それこそが
関わりかたの実体であった
SIさん



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