2020年5月31日日曜日

ゆるゆると

 

目が覚めても眠くて眠くて眠くて
眠かったとき
まだ布団から身は起こさないでいるあいだに
意識の中で
周囲のようすが影とひかりの混ざりあいのように見えて
露出に失敗したフィルムのようになり
眠さのために思念も切れ切れで
…起きる…今日は…なにを…する?…まず…あれは…昨日の…
などと断ち切れの単語や文節が
範疇の違うはずのものなのに限界を超えてしまって
影とひかりの揺れに思念の粒や立方体とともにじかに絡まって
故障して停止する寸前のホログラフの乱れのようになり
思った
これがたぶん意識の死か
それとも死の時の意識の崩れと弱まっていく点滅現象か
覚えておこう
死の時に同じような反応現象の中に置かれることになるのか
もう自分も把握できず
しかし
意識だけは分断されていくつにも切れ切れになって
こんな模様をひどく遅くしかもうまわせなくなった走馬灯のように
ゆるゆると
ゆるゆると…




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