そんなことより
サン=ジョン・ペルスの全集を読み直しておかなければ
大自然のことばかり詩に書いた
ノーベル賞詩人の
あのサン=ジョン・ペルスの
いくつかの飲み屋の看板を見ながら
そう思った
こんな入り込み方は
もちろん
ブレーズ・サンドラールのもの
文学を馬鹿にし切った
二〇世紀最高の詩人で文学者のひとり
と呼びたがる人たちもいる
あのブレーズ・サンドラールの
たゞ
サンドラールなら
ここで
街にそぼ降る霧雨や
水たまりを飛び越えていくドレスの女の裾のひるがえりや
近く遠くに瞬く街灯の数々を
すべて
一筆書きで
描き添えるだろうけれど
ずいぶん真似させてもらった
サンドラール
おっと
そんなことより
サン=ジョン・ペルス……
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