2020年5月28日木曜日

行動様式

 

わたしは詩歌の友を多く持ちたいと思ったし
出会いを重ねるのにやぶさかではなかったけれど
詩歌の人たちの多くは見てもらいたがり過ぎで
そのうえ認知されたがり過ぎで
評価され賛美されたがり過ぎで
だいたいはわびしい酒場に集まりたがり過ぎでもあって
会い続けるうちにさびしさがこちらの身にも移ってくるようなのが
どうにもこうにもつらかった
喫茶店に集まるたぐいのひとびとというのもあるが
これは酒場系よりもさらに貧相なところがあり
かならず凝り固まったわだかまりをこころに持っていて
つまらない悩みを抱えている万年学生のようだった
酒場に寄っても喫茶店に寄ってかまわないのだが
どこへ寄ってもどこにも帰属していない風のようなひとというのは
詩歌のひとびとよりもごく普通のひとにこそ多い
そういうひとたちと近くにいるほうがこころよいので
やはり自然と街に荒れ野にさまよい出て
ひと群れのなかやひとのいないなかを縫っていくということに
行動様式としてはおのずとなっていくことになる



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