昼過ぎには止むとも報じられたが
霧雨が続いている
傘の意味がないほどの粉のような雨で
一度開いたものの再び閉めて歩む
すでにランチタイムの時間も終わろうとしており
立ち並ぶレストランの客も疎らだ
営業に出るのか、食事から戻って来たのか
社屋の前での出入り姿の会社員が多い
下水道工事の準備でトラックが何台も止まっている
昔なら工夫と呼んだ人々が(今は差別用語とされているため
公の印刷物では編集者が使うのを嫌う)道の脇で
何人かずつ集まってコーンを並べたりしている
雨ともいえない雨だが長く降り続いていて
交通機関にも影響はないようながら
なにかの椿事でメトロが遅れたりしていたら、と気になるが
大通りの舗道に出たところで歩いていくのを見かけた
真っ赤なコートに季節はずれの大きな黒いサングラスの女性に
ふいに気持ちを惹かれてメトロのことは忘れてしまう
どちらにしてももうメトロの入口だ
真っ赤なコートの女性のハイヒールが
金茶かダークゴールデンロッドだったようで
コートの色と合っていたのかどうか
姿を思い出しながら階段を降りる
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