2018年3月12日月曜日

閉鎖されたままなんともいえない暗さに沈み込んでいて


大震災から七年経って
進んだの
進まないのと
復興の話が
(触れないわけにもいかないから
という感じで
電波に乗ってくる

九段会館の近くに住むようになってから
皇居に歩きに行く時など
その前をよく通るが
地震の際に天井が崩れて死者も出た会館は*
閉鎖されたまゝ
いまだに
2011年のまゝの姿で佇んでいる
夕方などに前を通ると
なんともいえない暗さに沈み込んでいて
都心にありながら
ちょっとゾッとするような雰囲気がある

この会館については
こんなことが報じられているーー

「東日本大震災の影響で2011年(平成23年)4月に廃業し、
「施設は閉鎖されている。
2017年9月に財務省関東財務局が実施した一般競争入札により
「建物・土地は東急不動産が落札した。
「東急不動産は城郭風の建築様式を残しつつ、
「地上17階建て(高さ約75m)の複合ビルに建て替え、
「2022年度中に開業する…

東京オリンピックの頃
トーキョーを見に来る外国人たちは
九段下を通りかかる時に17階のビル建設の様を見るのだろう
複合ビルの中にはきっとレストランも多数入り
ブティックや売店もいろいろ入るだろう
北の丸公園の武道館でのコンサートなどの後に
たくさんの人が寄っていく新たな場所になっていくのだろう

けれども
都心の繁華な場所の土地が
1年間活用されないままになってしまうということそのものが
あれだけの大震災というものの痕なのかと思わされる
閉鎖されたまま
なんともいえない暗さに沈み込んでいて
都心にありながら
ちょっとゾッとするような雰囲気がある会館の
いまのままの姿は
ひょっとしたら貴重なのかもしれない
文明のひずみや
人間の能力のところどころに走る断層が
ぱっくり露呈したさまが
九段会館の今の暗さかもしれない






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