旅
というものにとらわれていた時期があって
そこから脱するのに
タビ
を
ビタ
とひっくり返してみた
またタビに出たいなァ
という思いが浮かんだりすると
またビタに出たいなァ
と
すぐ
言い替えるのだ
そうすると
「また」や「に出たいなァ」も
ひっくり返さなきゃいけないように感じて
たまビタ
と考えてみたり
ァないた出に
としてみたりして
アタマは忙しくなる
この忙しさは
旅に出た際の忙しさとは違って
ちょっと
かなり
ちょなり
新鮮な忙しさだった
ァないた出にビタたま
ァないた出にビタたま
ァないた出にビタたま
などと
十回もくり返して唱えていると
けっこう
極楽浄土である
メタの旅
とでもいうやつに
移行したナ
と
思った
が
もちろん
慢心していてはいけない
すぐに
ビタのタメ
とひっくり返して
慢心を
解いたわたくしであった
ビタのタメ
と
いうのも
最後の「タメ」が
なんだか
おこがましいというか
クサイというか
おしつけがましい感じなので
略して
タのタ
と
言い直してみたら
これは
ピンと来た
だから
以来
うちの家紋には
タのタ
と描き込んである
店の看板にも
商標にも
タのタ
と書き込んである
子々孫々
ゆめゆめ
おろそかに
するでないぞョ
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