2018年3月2日金曜日

そんなこともとうにどうでもよくなっている



なにか悟ったふうに見せるのは野暮ったいし
じぶんに特別なところがあるとか
これこれの能力があるとか見せるのもカッコ悪いので
今どき『長距離走者の孤独』も流行らなくなったと知っていたので
陸上競技の際にもむしろ全く走らないことを選んだ

だが
そういう時期も
とにかく
もう終わりだ

いろいろな奇岩の立つ海辺で
この頃はひとりで暮らしている
洞窟もいっぱいあるが
それらの中に入って瞑想したりするわけではない
瞑想も祈りもクサいから
恥ずかしくてやってられない
落ち着かない心など
もう
持ってはいないし

月が美しいんだよ、ここでは
三日月や
下弦の月が黒い夜空に
奇跡のようにくっきりと浮いている時
わたしは誰だったのか
などと
考える必要もなくなっている

今夜
月は出ていないので
空の黒やまわりの闇を見続けているけれど
これもいい
空の黒やまわりの闇は心のように感じられる

心がじぶんの心かどうか
そんなことも
とうに
どうでもよくなっている



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