2022年1月6日木曜日

ヒュプノスとモルフェウス

 

 

眠りの神のヒュプノスは

夜の神ニュクスの息子

冥界に住み

兄弟の死の神タナトスと違い

日のひかりが大きらい

仕事といえば

疲れた人の額に

自分の角から眠り薬を注ぐだけ

たいしたことはしていない

たいした活躍もしていない

ラテン語ではソムヌスと呼ばれ

somnolentはここから来る

 

こんなヒュプノスに

詩人オウィディウスは息子を与え

夢の神モルフェウスmorpheusと名づけた

形や型という意味の

モルファイという語から来た

 

変身の得意なモルフェウス

眠っている人の心に入り込み

人間の姿や声音を真似る

兄弟としてはイケロスやパンタソス

イケロスは動物を真似

パンタソスは命なきものを真似る

 

言葉の上でもモルフェウスは

いろいろなものに化け続け

メタモルフォスィスmetamorphosis

ポリモーファスpolymorphous

モーファラジーmorphologyに化けていく

鎮痛効果や催眠効果を持つ

あの有名なアヘン抽出物

モルヒネmorphineの名にも化けている





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