2022年3月30日水曜日

よくもまァ


 

 

ものを書く人間といえども

実際には驚くほど愚かだとわかる証左として

日本ペンクラブ

日本文芸家協会

日本推理作家協会

ロシア批難共同声明がある

 

報道によると

日本ペンクラブ、日本文芸家協会、日本推理作家協会は10日、ロシアのウクライナ侵攻を非難する共同声明を発表した。3団体が東京都内で記者会見し、「許し難い暴挙。一日も早い戦争の終結を」と訴えた。
 共同声明では、ロシアの行動を「完全に侵略であり、核兵器使用に言及したひきょうなどう喝であり、言論の自由を奪い、世界の平和を脅かす」と指摘。表現活動に携わる立場から「新たな戦争の愚かさについてなど、書きたくはありません」とし、ウクライナ、ロシア双方の人々の命や自由が守られるよう求めている。
 日本推理作家協会の京極夏彦代表理事は「たとえどんな状況でも暴力的解決を選択肢に入れることはあってはならない」と強調した。(2022/03/10-16:57

とのこと

 

東京都千代田区日本記者クラブでの写真にならんだ顔は

日本文芸家協会・林真理子理事長

日本ペンクラブ・桐野夏生会長

日本推理作家協会・京極夏彦代表理事

である

 

いくらなんでも

無能過ぎないか?

この連中は?

 

という

批判というより

呆れというより

嘆息がほうぼうで洩れたようだが

もともと

この物書き協会連中は

むかしから

ズレた共同声明を出してきた経緯があるので

歳を重ねてきた観察者たちは

べつに驚くわけでもない

 

日本ペンクラブ

日本文芸家協会

日本推理作家協会

この

ロシア批難共同声明は

2014年にウクライナから独立を宣言した

ドネツク人民共和国

ルガンスク人民共和国

独立を認めず

これらの地でウクライナにより

8年にわたって

1万人以上とも15千人以上ともいわれる虐殺が行なわれ

ヒムラーを信奉するウクライナのナチス政権は

児童2000人を地下施設に閉じ込めて

人身売買をしていた

ともいわれるが

これらを完全に無視ないしは否定してなされたことになる

 

おいおい、大丈夫かい?

 

こういう時には

わざと

ちょっとオトボケな言い方をして

オトボケな驚き表明をしてみる伝統が

ニャッポンの年配層のコミュニケーションにはあるのだが

大丈夫

ではないだろう、これは

 

端的に言って

高度の情弱・・・・・・

おっとっと・・・

情報取得能力欠如状態のゆえの共同声明であり

これが

愚民にあてがう大衆文芸を製造する者たちの知的実態なのだと思え

まあ

なるほどね

思わないでもない

 

なるほど

なるほど

このニャッポンには

大政翼賛会もあれば

日本文学報国会も

大日本言論報国会もあって

この伝家の宝刀を持ち出してきたと見ればいいのだろうが

ひかえめに言っても

8年にわたってウクライナが行なった戦争をきれいサッパリ無視したり

ドネツク人民共和国

ルガンスク人民共和国

独立を認めず

あたかもそこがウクライナであるかのように決めつけたりする態度

国際政治学における一見解に立つもので

よくよく注意しないといけないはずのポイントを

ずいぶんと雑に踏み荒らした

と言わねばならない

 

ドネツク人民共和国

ルガンスク人民共和国

独立

については

はて

どんなもんだろうか

ロシアの裏工作を

当然推量して

カッコをつけて

「独立」

とでもしておかないといけないところではないか

などと

個人的にも思うところだが

いずれにせよ

これら共和国がとりあえずみずから宣言している以上は

無視もできないわけで

だからこそ

国際政治学上の微妙なポイントだということになり

簡単に一見解を採用して共同声明などするわけにはいかない

はず

はず

はず

 

まあ

三島由紀夫先生ならなんとおっしゃるか

立場はずいぶん違うが

吉本隆明先生ならなんとおっしゃるか

花田清輝先生ならなんと皮肉られることか

 

イタリア・ファシズムの先駆者であらせられるダヌンツィオ先生なら

おやおや

ナチス国家ウクライナの肩を持つとは

良きかな!

良きかな!

と莞爾と微笑まれるかもしれないし

ムッソリーニの熱狂的支持者で反ユダヤ思想を奉じた

20世紀最大の天才詩人エズラ・パウンド先生も

派手に声を張り上げて快哉を叫ばれるかもしれない

 

正直なところ

どれもこれもたいして当てにならない言語芸人にすぎないので

こんな時にはマキャベリ先生の言葉でも

思い出して

桜咲き満ちるニャッポンの春の

おっとりした慰安とでも

しておこう

 

人間というのは思慮が足りないので

あることを始めるに際して好ましい面があったりすると

そこに潜んでいる毒には気がつかないものだ

(・・・)真に賢明な君主というのは

まことに数が少ない

ローマ帝国の破滅のそもそもの始まりを考えてみるならば

じつに

ゴート人を傭兵にし始めたことにあった

それ以降

ローマ帝国の力は衰微し始め

かつて彼らを栄えさせた力量はローマ人から離れ

ゴート人の手に移ったのである

 『君主論』第十三章

 

こう読み直してみると

しかしながら

マキャベリ先生も

なんだかのんびりしている

 

日ごろ

わたくしめが愛読して

つねにポケットに入れて持ち歩いている

中国古典『三十六計』のほうが

よほどサッパリ

キリッとしている

 

第一計 瞞天過海

天を瞞きて海を過る

 (白昼堂々、天子を欺いて海を渡る)

 

から始まって

 

第三計 借刀殺人

   刀を借りて人を殺す

 (自ら直接手を下さず、第三者に敵を殺させる)

 

第五計 趁火打劫

   火に趁んで打劫す

(火事場の混乱につけこんで泥棒を働く)

 

第六計 声東撃西

 東に声して西を撃つ

 (東を攻めるように見せて声を上げ、西を攻める)

 

第十計 笑裏蔵刀

   笑いの裏に刀を蔵する

(顔は笑っているが、裏では刀を隠し持っている)

 

第十六計 欲擒姑縦

擒えんと欲すれば姑く縦つ

(捕らえたければ、しばらくわざと逃がしておく)

 

第二十三計 遠交近攻

   遠く交わり近く攻む

(遠国と親交を結び、近隣の国を攻撃する)

 

第二十四計 仮道伐虢

道を仮りて虢を伐つ

(通過するだけと偽って他国内の道を借り、送り込んだ兵でその国を滅ぼす)

 

第二十五計 偸梁換柱

   梁を偸み柱を換う

(家屋で最も重要な梁や柱を取り替えて骨抜きにしてしまう)

 

第二十七計 仮痴不癲

   痴を仮るも癲せず

(愚を装っているが、本当に狂ってはいない)

 

第二十八計 上屋抽梯

   屋に上げて梯を抽く

(屋根に上げておいてからハシゴを取り除く)

 

第三十一計 美人計

   美人の計

(敵に美人を献上し、色仕掛けで弱体化する)

 

第三十二計 空城計

   空城の計

(わざと城門を開き、計略があると思わせて、敵の判断を狂わせる)

 

第三十三計 反間計

   反間の計

(敵のスパイを逆に利用し、偽の情報を流して敵を混乱させる)

 

第三十四計 苦肉計

   苦肉の計

(敵を信用させるため、わざと自分を傷つける)

 

第三十五計 連環計

   連環の計

(複数の計謀を組み合わせ、連続して発動する)

 

そうして最後に

有名な

三十六計

 

第三十六計 走為上

走るを上と為す

(これまでの計略でも勝算がない時は、逃げるが勝ち)

 

こういう知恵を骨肉とした中国と

いよいよ親しく結んだはずのロシアにたいして

よくもまァ

 

よくもまァ

 

 




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