ウクライナ版大坂夏の陣

 

     ただひとり賢者であろうとするのは

     大いなる狂愚である。

      ラ・ロシュフーコー

 

 

ウクライナ版大坂夏の陣は

計画と準備の周到さ

戦略と戦術における研究と経験の豊富さ

経済金融面での

それまでの常識をこわすような

徹底した詭道を以てしての準備と隠蔽

などにおいて

裏の裏の裏の裏まで

力と方策に満ち満ちた側が

必然的に勝ちを収めるだろう

歴史上稀な

三國志レベルの知の競いあいに

われわれは招待されている

極上のポーカーだ

ハンニバルに付くか

スキピオに付くか

迷うほうがどうかしている

どちらも滅びるよう望むのが

いちばん正常な知者だろう

 

「兵は詭道なり」や

「戦いは奇を以て勝つ」は

誰もが知る

孫子の教えだが

徹底してこれに従う者は

少ない

孫子先生の

出藍の誉れとなるのは

どちらだろう

 

第二次世界大戦が

正義の戦いでなどなかったのは

ちょっとでも

歴史を見つめた者なら

だれもが知っている

 

もともと

酷い非正義で構築された世界が

かつての構築者どうしの仲間割れから崩れる時

非正義世界で浮遊を余儀なくされた者は

次に形成されてくる世界の

勝者の側に付けばいいだけのこと

 

豊臣秀頼側に付いた

はしゃぎ好きの者たちは

遅かれ早かれ

斬首される

 

「あらゆる悪巧みの中で最も巧妙なのは

相手の仕掛ける罠にはまるふりを

たくみに装って見せることである。

だれかを騙そうと思っている時ほど

人がやすやすと騙されることはない」

と

これも

ラ・ロシュフーコー