2018年8月14日火曜日

透明だがずいぶん緑の濃い壜をわたしの子が拾ってくるまで

 

空が硬いので拾いに行った
名前をちゃんと覚えなかったマシュマロ状の
ありふれた地球外物質

ペン先から細い芽が出てくる現象が見られるようになり
人類こぞって
ひらがなを求め始めてきた

うらぶれた浜の
漁師小屋に黒いマリア像が
誰にも知られず安置されていたから
なんとか保たれていた平和だったというのに
小さなカップに飲み残した
ライム水の数滴で黒色をすっかり洗い流してしまったなんて…

天使という概念のない地方で
地球外物質からわたしはわたしの子を創る
さみしいね
いたずら心を共有できない蟹は
透明だがずいぶん緑の濃い壜をわたしの子が拾ってくるまで
歴史には止まっておいてもらおう




0 件のコメント: