空が硬いので拾いに行った
名前をちゃんと覚えなかったマシュマロ状の
ありふれた地球外物質
ペン先から細い芽が出てくる現象が見られるようになり
人類こぞって
ひらがなを求め始めてきた
うらぶれた浜の
漁師小屋に黒いマリア像が
誰にも知られず安置されていたから
なんとか保たれていた平和だったというのに
小さなカップに飲み残した
ライム水の数滴で黒色をすっかり洗い流してしまったなんて…
天使という概念のない地方で
地球外物質からわたしはわたしの子を創る
さみしいね
いたずら心を共有できない蟹は
透明だがずいぶん緑の濃い壜をわたしの子が拾ってくるまで
歴史には止まっておいてもらおう
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