八月七日には立秋で
子どもの頃は
そういう古い暦って馬鹿だなぁ
ズレているし
どこか間抜けっぽいなぁ
そう思っていたが
歳を取るごとに
じつはすこぶる正確だったのだと
痛感してくるようになった
子どもの頃だって
八月も七日頃になると
海で泳いでいても
クラゲもいっぱい出てくるし
海水もどこかさびしくなってくるし
浜もさびしくなってくる
そういうのは感じていて
そろそろ街に帰りたいなぁと
思うようになってくる
秋のはじまりって
じつはあれだったんだと
歳を取ってきてはじめて
気づき直すようになってくる
気づいた頃には
じぶんという誰かさんの人生も
もう秋になっていて
もう後戻りはできない
もう取り返しようはない
そんなに悲壮な思いというわけでも
ないんだけれども
もう誰もいなくなってしまった浜
なのに
ところどころ冷たく
さびしくもなった水のなかで
ちゃぽちゃぽ浸かって
まだ楽しもうとしている
たったひとり
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