ノリコの肩をそっと抱いてホームレスの男にゆっくりと近づかせな がらカタオカケイコは何一つとして正常なものはないのだと思う。 この部屋に、ではなく、この世の中に、だ。
村上龍『エクスタシー』
日が暮れてしまうと
都心のビル群が
あちこちにかたまりとなって
とりどりの
美しい灯をともす
カーテンを閉めるのが
憚られる
大国の言いなりのまゝ
戦闘機を買い
非食用のコーンを買い
甚大災害地をなおざりにし
原発事故にも
責任なしと裁く者たちの
都心のビル群
これからも
ネロやヘリオガバルスや
ルイ十五世の真似事に
きまじめに
邁進し続けていくのであろう
この国の
中枢じみたものの
べったり
ぐちょぐちょと
横たわる
都心のビル群
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