ちょっと濃く淹れたほうじ茶を飲みながら
美しい夜に入っていく
透明の耐熱ガラスのカップのなかのほうじ茶の色が
ランプのひかりを受け
室内に染み上がってくる闇に映える
紅茶でもよかったか
と思うが
濃く淹れたほうじ茶と紅茶の色では
ほんのちょっと
違う
ほうぼうのビルの上に航空障害灯が灯りはじめる
わずかの間に
もう
空は深い紺になる
全階にあかりが点いているビルもあって
若い夜のはじまりは
にぎやかだ
鼓動のように
航空障害灯が点滅している
またたきのように
と
修飾を替えようかと
ふと思う
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