2019年9月6日金曜日

♪鼻血で赤く 日の丸染めて……




東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が
競技会場への旭日旗の持ち込みを禁止「しない」と発表したそうだが
個人的には
なんかなぁ……である
いやぁな感じなのである
朝日新聞の旗を見ただけでちょっとゾッとするところがあるんだ

最近の子どもや若者とちがって
ぼくなんかの世代は
戦争後だいぶ経って生まれたとはいえ
戦争がどんなにひどかったか
写真をさんざん見せられて育った
むかしの学校の先生はけっこう努力していたのだ
少年雑誌でも学生雑誌でも学校でも
戦場の死体写真をこれでもかと見せられ
かならず死体のわきには日章旗や旭日旗があり
沈んでいく前のつかの間の栄光の時間の軍艦には旭日旗がはためいていて
ようするに日章旗や旭日旗は死と直結する不吉なものと映った
大陸で中国人や朝鮮人を殺す写真もいっぱい見たが
だいたいすぐに目に映る人の気持ちになっちゃうものだから
いやだなぁ
痛いだろうなぁ
首切られたら喉が詰まっちゃうようだろうか
などと思い続けてしまうし
そういう殺しの場面でも日の丸がはためいているものだから
ひどいことをするなぁ
やだなぁ
他の国のひとをたくさん殺すような国っていやだなぁ
いやな国に生まれてきちゃったなぁ
といつも思いながら子どもながらに陰鬱憂鬱鬱鬱だったが
それでも
とにかく昔のことでもう終わったことだから
なんとかぼくは戦争に遭わずに生きのびていけるだろうか
なんて考えてばかりいた
韓国や中国や他のアジア諸国や
欧米やオーストラリアとかにとってだけでなく
日本人にとってだって
旭日旗や日章旗のあの赤は人殺しの血の色に見えていやなんである
他の日本人はそうでもないのかもしれないが
ぼくはひとりそう感じていやなんである
そういう日本人もいるのである
たぶんいっぱいいるんである
日の丸なんかはしょうがないなぁと思って見るが
旭日旗なんかがうっかり目に入るときにはハッとしてしまう
赤い部分が多すぎてそれが不吉な血に見えてハッとしてしまう
だれか首を切られて死んだ血が出た感じだと思ってしまう
だれか腹を刺されたりして血が出た感じだと思ってしまう
だいたい生物は血の色を見るとハッとするような本能がある
赤いのは人間の血の色だからハッとするのはあたりまえだ
日の丸がオレンジ色だったらいいのになぁとよく思う
日の丸が七色の虹色だったらいいのになぁとよく思う
そうしたらヘンにハッとしないで済むだろうと思う

子どもの時によく鼻をほじくって鼻血を出したが
鼻血が枕やシーツに落ちるときに
ぼとっ、ぼとっ、ぼとっ、と落ちる
日の丸ってこれだな、とどうしても子どもは思う
♪鼻血で赤く 日の丸染めて……*
なんて替え歌をしてよく幼稚園で遊んだが
その後の歌詞は
♪あゝ、あほらしい 日本の旗は
って続けるのである
ぼくはそういうのを一瞬で作ってしまえるところがあって
いろいろな替え歌をすぐに作って
友だちに披露し
けっこう楽しんだが
日の丸の歌なんかはわかりやすいし歌いやすいので評判だった
♪鼻血で赤く 日の丸染めて
♪あゝ、あほらしい 日本の旗は
ダメな大戦争をして大負けに負けたボロ国家に
たまたま生まれ落ちてきてしまって
ぜんぜん尊敬なんかできない国だと思った子ども時代のぼくの
これがとりあえずの対応だった

最近見つけたんだがWikipediaには面白いことが書いてあ

《日章旗を幕府陸軍が軍旗として採用したため、それと敵対した新政府軍の系譜たる陸軍に新たな象徴たる軍旗(=旭日旗)が必要とされた》**

ぼくの母方の先祖は幕府側の武家だったが
幕末頃のご先祖様たちから見たら日章旗が自分たちの旗で
旭日旗は敵である薩長土肥の旗と見えていただろう
ふぅむ、旭日旗への違和感や嫌悪感みたいなものは
ひょっとしてDNAとか血の中に流れていたんではないか?
そう思うとなんだか腑に落ちる気もした

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が最後に決めるのか
IOCが最後に決めるのか知らないが
競技会場への国旗の持ち込みは一種類のみ許可
とでも決めればよい
そうすれば自動的に日章旗のみになる
日章旗のみ許可となれば
日本の国旗をはためかしていながら
じつは明治政府軍の旗ではなくて江戸幕府軍の旗なのだから
開かれている東京オリンピックは
ほんとうは江戸オリンピックだという意味も発生することになり
ほれ、見たことか
と幕末のご先祖さまたちも喜びそうである







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