眼球では見えない
四角い球体が
透明な濁った極彩色にとろけて指の先から
手の甲のほうに絡まってくるので
アルマ!
と叫んだが来たのはソリュージュで
このあたりのビル風はひどいね!
ひどいね!
防風林の端っこに小さなトーチカがあって
住んでいたのかね?
住んでいたのかね?
あんなところに何年も
いいや何十年も
ロシナンゼィの家族は?
家族っていったって
たったふたりだけだったのだが
と言っている間に
口がぼくはきれいな卒然たる上皇の革靴の先に
いま咲きはじめる鶯色の
尖塔のないタイプの宮殿たちよ!
白昼の名もなき草どうしの
先端だけでの
かわいらしい密会だね
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