2021年2月8日月曜日

袖をぬらしてまで



 

袖を濡らしまでして

てのひらに

すくい取って遊んだ夏の水も

秋へ

冬へ

季節は流れて

凍りついてしまっていたけれど

ようやく来た立春

きょう

立った風が

きっと

解かしてくれたのでは

ないかな

 

 


紀貫之

袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ

古今和歌集巻第一 春歌上 二





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