風も
吹き添って
きたのか
乙女が
挿頭として挿した
梅の花鬘
その花弁が
春の雪さながら
袖に落ちかかるとき
こちらにも
梅の香は
漂ってくるから
田安宗武
風やそふかざしの梅の衣手にかかるも匂ふ春のしら雪
『悠然院様御詠草』
参考歌
尊敬(そんぎよう)
梅花を折って頭(かうべ)に挿(さしはさ)めば二月の雪衣に落つ
『和漢朗詠集』
康資王母
梅散らす風も越えてや吹きつらんかをれる雪の袖に乱るる
『新古今和歌集』巻第一 春上
兼綱卿
乙女子がかざしの梅の花かづら千里をかけてにほふはる春
『題林愚抄』
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