気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
とうとう氷が解け
音を立てて
流れていくではないか
春が来たのだ
六十にして耳順(したが)うと
孔子は言っていたが
この山水の音に
六十になったわたしの耳も
ようやく
すなおにしたがって
ありのままを
聴きとろうとするように
なったようだよ
香川景樹
音たてて氷ながるる山水に耳もしたがふはるは来にけり
『桂園一枝』
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