2021年8月3日火曜日

知的に自分でちゃんとわかってます的なプレゼン

 

オリンピックを見ていると

試合が終わったあと

選手へのインタヴューがひどいな

と思うようになった

 

勝った選手には

以前からインタヴューしていたと思うが

負けた選手にもインタヴューするというのは

以前はあまりなかったことではないか

 

選手たちもずいぶん巧みに

自己分析をしてみせて

応援してくれた人たちへの感謝も織り交ぜて

インタヴューのされ方がうまい

 

見ていてひどいものだと思う

インタヴューのされ方の練習もやっているのだろう

一定の型ができていて

とにかく周囲への感謝表明が尋常ではない

 

自分の演技の分析をしてみせているといっても

よく聞いているとじつは型に嵌まっていて

ほんとは大したことを言っていないのだが

知的に自分でちゃんとわかってます的なプレゼンがつらい

 

試合の終わった直後でそんな分析が知的にできるなら

分析できるだけのエネルギーをもっと試合に注ぎ尽くして

試合後には言葉などしゃべれなくなるぐらいに

もっと力を出し切れよとさえ意地悪に思ってしまう

 

ほんとなら嬉しかったとか悔しかったとか

涙が出てしどろもどろになってしまって

とてもしゃべるどころではない状態でいいと思うが

自分を客観視してプレゼンできるふりを強いられている

 

支えてくれた人たちや応援してくれた人たちに

まず感謝の言葉を言うとか言わなければならないというのは

全力を出し尽くすはずのスポーツ選手たちにとって

なにか途方もない間違った道に嵌め込まれている気がする

 

産卵を終えて打ち上げられたサケたちにでも

インタヴューしているように見えてしかたがないのだ

どうでした? うまく産卵できたと思いますか?

ええ、もうちょっと小石を深く掘れればよかったと思います…

 

メスが生み落とした卵の上への射精はどうでしたか?

はい、まあまあうまくいったと思いますが、ちょっと逸れたかな

でも二度目はないわけですから、やるだけのことはしました

一尾でも多く孵ってくれるよう願いたいと思います……






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