眠りは死よりも愉快である。
少なくとも容易には違いあるまい。
芥川龍之介
眠りは矛盾している
そう思いながら眠っている
眠りのなかで
矛盾を犯していると恥じ入ったり
眠りのなかで
こんな眠りを受け入れているようではいけない
と散々な自己嫌悪に陥る
心身を一致させた状態で
たえず生起し続ける出来事の連鎖に晒されるアトラクション
としての
現世に対して
眠りは
死
そのもの
である
目覚めている際には
あれにも
これにも
注意し続けなくてはいけない
などと
神経を煩わせ続けているというのに
眠ってしまえば
すっかり自我も忘れ切って
統一意識の死
そのものとなる
バカなのではないか?
人間存在は?
人間存在の基本構造そのものが?
と
どうしても思う
他方
眠りは
現世という冒険世界を生きのびるための
力の回復と心身の成長
に
必要だとも
見られる
眠ってしまえば
身体の生存は保証されないというのに
そんな脆弱な状態のなかで
力の回復と心身の成長
を
図る存在構造が
そもそも
欠陥商品ではないのか?
やはり
バカなのではないか?
人間存在は?
人間存在の基本構造そのものが?
と
どうしても思う
かくも
眠りは矛盾している
眠りという
人生の基本構造の設定は
矛盾している
人生と呼ばれる
生起し続ける出来事の連鎖に晒されるアトラクション
の
あちらこちらが
矛盾
しないはずはなかろう
ヘンな筋を通そうなどと
ヘンな頑張りを
まずは
すっかりやめてしまうことだ
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