2022年12月31日土曜日

ジュワッとおいしい肉汁の垂れてきそうにはない



 

20年ほどは見たことがなかった

年末の番組

レコード大賞うんぬんを

ほぼ

ぜんぶ見てみる

 

時代もかわり

世代も

世代も

世代も

何世代も水泡のごとく流れ去ってしまって

感性も考え方も

どこか遠い異国にふいに流れついて

鄙びたバーで見せられる

古ぼけたテレビの

画像の鮮明でないショーのように

ズレにズレてしまっていて

ポップスというのに

こちらの気を和ませるメロディーや

ことばが

耳に流れてくる感じがすることは

もう

まったく

ない

 

あまりにひどい曲や

歌詞も

いくつか

 

けれども

これが今の時代なのだろう

これが

「今の若い人たち」なのか

思いのなかで

「 」というマスクを

シールドを

ふと

付けてしまったりする

 

たったひとつ

言葉選びや

絡めあわせが粒立っていて

曲載せもとてもよいものがあって

あゝ、これはいいな!

レコード大賞は

これに決まりだな!

もし

ぼくが選ぶんならな

と思った

 

 

その通り

レコード大賞は

その曲に

ちゃぁんと決まった

 

ポップスの現在と

近未来の方向を嗅ぎとる

感性

衰えてないな

 

若者の

流行の先端(の一部とはいえ)

探知する

萎えてないな

 

つまらないことながら

ちょっと

自信

 

けれども

わざと

連続して聴いてみた

あれらの曲

あれが

現代の雰囲気であったり

若者の感性の実像であったりするのなら

そこにあるのは

行き詰まって

方途も定められず

切れ切れに文節を宙に投げたり

単語を吐いてみたり

そんなマインドの

一場の

舞い

ばかり

 

いいことはないな

いいことはないな

 

どんどん

凋落と

衰えとが顕われてくる

ばっかりだな

 

この先

この発言者たちには

この単語配列者たちの

もう

ジンセイ

なんて

呼ぶほどの

ジュワッとおいしい肉汁の

垂れてきそうにはない

タイムラインの

行く末には

 

ぼく

同行せずに

離脱します

あなたがた令和日本人大多数者の

連合艦隊からは

 

さらば!

 

健闘を祈る!







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